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頭も体力も実年齢より数十歳若い!
平均寿命が延び、高齢化が進む現代日本社会。せっかく長生きをするなら健康に長生きしたいものですね。
世の中にはスーパー高齢者と呼ばれる、80,90代になっても健康で脳機能も実年齢よりもずっと若い人たちがいます。いくつになっても社会との関わりを持ち続け、夢や目標をもって前向きな気持ちで活動的に生きることが元気に歳をとる鍵ではないでしょうか。そこで、このページではその一例として、スーパー高齢者アスリートを紹介したいと思います。
スーパー高齢者アスリート達
宮崎秀吉(みやざき ひできち)さんは、1910年(明治43年)9月22日生まれの日本の陸上競技選手(短距離走)。2015年現在、105歳以上の部で世界記録を持つ、現役選手。
農協の職員を経て、退職後は囲碁を趣味としていましたが、同年代が次々亡くなり、囲碁の相手がいなくなり、娘さんの勧めもあって、92歳で陸上を始めたそうです。100歳の部でドナルド・ペルマンに26秒99で抜かれるまで、29秒83という100歳以上105歳未満の世界記録を2015年9月19日まで保持していた。この記録は偶然にも宮崎さんが105歳の誕生日を迎えるわずか数日前の出来事でした。105歳を迎えた翌日である2015年9月23日にマスターズ陸上105歳~109歳の部に100m走と、砲丸投に挑戦した。その結果、100m走は42秒22、砲丸投では3m25を記録し、両方とも宮崎さん以外の出場者がおらず、また、105歳から109歳の部では、これ以前の記録もないため、完走、完投した時点で世界記録となりました。
宮崎さん「3食欠かさずに食べる事と腹八分目でストップする事、必ず30回かむ」。朝食は、6枚切りの食パンを一枚トーストして、マーガリンとジャムを塗って食べているそうです。ジャムは市販のものではなく、静岡に暮らす妹さんが送ってくれる夏みかんを新鮮なうちに調理したものです。味噌もお米も無添加。牛乳とブロッコリー、フルーツは毎日欠かさず摂っているそうです。夕食は、ご飯に味噌汁。それに、肉屋さんで薄切りにしてもらった牛肉を、野菜や豆腐と一緒に炊いたものを出しているそう。
守田 満(もりた みつ)さん。1923年6月29年(大正12年)生まれの、日本の女子陸上選手です。マスターズ100メートル、200メートルの世界記録保持者。69歳の時、町内の運動会で活躍したことがきっかけで、マスターズ陸上への出場を勧められ69歳から陸上競技を始めたそうです。
2013年9月29日、日本体育協会から日本スポーツグランプリを受賞した。同年10月5日、6日に西京極陸上競技場で行われた国際ゴールドマスターズ京都大会に90歳で出場し、100mで23秒15を記録。また、同年の6月30日の長崎マスターズ選手権では200mで55秒62を出し、56秒46の世界記録を塗り替えました。
日本マスターズ陸上競技連合が認定する年代別記録において、80-84歳・85-89歳・90-94歳の3つのクラスで100メートル走および200メートル走の日本記録を出しました。400メートル走では75-79歳のクラスの日本記録も出しました。
守田さんの食生活。
朝から豚肉を食べ新鮮な卵を丸飲みする生活を20年間続けているそう。NHKクローズアップ現代の取材時には、ごはんとたくあん、ボウルいっぱいのキャベツを食べていたそうです。筋肉を維持するため、たんぱく質とビタミンをたっぷりとるといいます。守田さん曰くパンより米の方が力がつくそう。おかわりも欠かさないと言います。また、週に二回は昼にうなぎを食べるそうです。
宮崎さん、守田さんは食事をとても大切にしているようで毎日しっかり食べているようですね。高齢になるとタンパク質が不足してくるので魚や肉も摂ったほうが良いといわれています。もちろん、肉だけでなく野菜や果物もしっかり摂った方が良さそうですね。守田さんはここ20年ほどタンパク源である生卵を食べることが習慣になっていますし、宮崎さんも肉、牛乳、野菜や果物などをバランス良くとっていますね。
写真出典:http://www.nippon.com/ja/currents/d00103/
中高年になっても諦めないで!
70代で2度のエベレスト登頂に成功した、冒険家・三浦雄一郎(83)さん。
三浦さんは「60代前半の頃は、肥満・高血圧・糖尿病だった」と新聞のインタビューで語っています。その当時の三浦氏は身長 164cm・体重86kgほどあったそうです。健康診断の結果は、糖尿病発症寸前の状態。
三浦さんはその後、70歳代でエベレストに登頂するために、65歳から本格的なトレーニングを始めました。最初は500m級の山のハイキングコースでさえ登りきれなかったのだそう。エベレスト登頂に成功する確率は、一流の登山家が10人挑戦して3人成功するかどうかといわています。「命を失なう可能性があるほどの挑戦をするのならば、せめてその道のりは楽しみながら努力しようと決めた」と三浦さんは話しています。
三浦さんのトレーニング法は、体力に合った負荷のアンクルウエイトを足首につけたウォーキングを主体とし、それにチューブを利用した独自の筋肉トレーニングを組み合わせているそうです。負荷を少しずつ増やしながら、これらを毎日行なった結果、三浦さんは約半年で40代の頃の体力を取り戻して いくのを実感したそうです。
70歳でエベレストに登頂した2年後、東京都老人総合研究所で三浦さんの体力に関する測定が行なわれました。その結果はなんと、20代男性とほぼ同じでした。
長寿の村
日本一の長寿県として名を馳せていた沖縄県ですが、現在では男女ともに長野県の平均寿命が最も長くなっています。
・高齢村民のテロメアが長い「長野県高山村」。テロメア (telomere) とは私たちの染色体の末端部分のことで、DNAの中身を保護する役割を持ち、健康長寿の鍵を握っています。このテロメアは細胞分裂を繰り返しているうちに段々と短くなっていき、ある長さまで短くなると、私たちは衰えて死んでいきます。2011年に高山村と広島大学で共同研究を行い、無作為で選んだ60歳以上の村民24人の血液を調べたところ、22人のテロメアが平均を上回り、全体でも長い傾向を示しました。高山村の標高は400m~2,000mと同じ村内で1600メートルの高低差があります。勾配がある土地を歩くことで筋力や心肺機能が鍛えられることが老化を遅らせることにつながると考えられます。また、標高の高い場所では気圧が低くなるため血液中の酸素濃度も低くなり、ミトコンドリアを活性化することになります。これも老化を遅らせる一因と考えられます。りんごやぶどうの栽培がさかんな村でもありますが、りんごやぶどうに含まれるポリフェノールもテロメアを長く保つ効果が期待されています。
・男性の平均寿命が日本一の村「長野県松川村」。2013年7月、厚生労働省が発表した市区町村別平均寿命で、松川村の男性の平均寿命は82.2歳で1位になりました。全国平均と比較して3世代同居の割合が高く、家族以外の人との交流が多いそうです。また、趣味を楽しんでいる人が多く精神状態も良好な人が多いよう。緑黄色野菜を多く摂っているそうです。また、長野県は、葉物野菜の生産量が多い県でもあります。
・シークヮーサーと長寿の里「沖縄県大宜味村」。1993年に長寿日本一を宣言したこの村は、一人暮らしのお年寄りや二人暮らしの高齢夫婦でも生涯現役という意識があり地域社会とのつながりが強いようです。また豆腐や海藻の消費量が多く、本土に比べて肉をよく食べるということ。こちらも緑黄色野菜がよく食べられているようです。シークヮーサーの産地としても有名で最近ではシークヮーサーのテーマパークも出来たようです。ただ気を付けたい事として、柑橘類には色々な健康効果もありますが「ソラレン」と呼ばれる光毒性物質が含まれているので紫外線に反応しやすくなります。朝食べるとシミや皮膚がんになりやすくなってしまうので気を付けましょう。
ライター:田宮悠季